占いコラム 6

9つの惑星(ナヴァグラハ)

9つの惑星(ナヴァグラハ)

インド占星術では、ナヴァグラハ“Navagraha”を使用します。“Nava”(ナヴァ)は「9つ」、“graha”(グラハ)は「惑星」を意味するサンスクリット語です。このナヴァグラハ(9つの惑星)は、日・月・火・水・木・金・土の1週間にそれぞれ対応した太陽・月・火星・水星・木星・金星・土星といった7つの惑星に、ラーフとケートゥ(ドラゴンヘッドとドラゴンテイル)を加えた9つの惑星です。

天文学的には、太陽は恒星、月は地球の衛星です。ラーフとケートゥ(ドラゴンヘッドとドラゴンテイル)は、太陽と月の軌道が交差するポイント(昇降点)であって実在の天体ではないため、これらはそれぞれノース・ノード(北の昇降点)とサウス・ノード(南の昇降点)とも言われています。このように、天文学的には太陽・月・ラーフ・ケートゥは惑星ではありませんが、占星術では便宜的に惑星とみなしています。

9つの惑星(ナヴァグラハ)の象意

9つの惑星の基本的な象意は以下の通りです。

ナヴァグラハ(9つの惑星)の象意
惑星 惑星の象意
太陽 自我、権力、名誉、プライド、政府、物事の中心、王、父親、心臓、目、胃
心、情緒、人気、変化、日常、看護、養育、液体、昆虫、母親、女性、民衆、胸部、胃、子宮
火星 闘争、力、情熱、怒り、短気、速さ、火、犯罪、スポーツ、建設、兄弟、筋肉、肝臓、血液
水星 知能、思考、コミュニケーション、商売、文筆、計算、占星術、親戚、皮膚、肺、腸、神経
木星 幸運、宗教、智慧、神聖な知識、拡大、保護、財産、精神的指導者、子供、夫、脂肪、肝臓
金星 愛情、結婚、芸術、音楽、快楽、調和、文化、恋人、妻、生殖器、視力、喉、腎臓、腰部
土星 苦悩、貧困、疾病、障害、遅延、制限、寿命、労働、奉仕、犯罪、民主主義、改革、奴隷、神経
ラーフ 貪欲、異常、勇気、向こう見ず、快楽主義、物質主義、外国人、悪性腫瘍、皮膚病
ケートゥ 純粋、異常、禁欲主義、精神主義、哲学、真我、解脱、外国人、切り傷、潰瘍、伝染病

トランスサタニアン惑星

現代の西洋占星術では、上記の9つの惑星に加えて、天王星・海王星・冥王星といった3つのトランスサタニアン惑星を使用していますが、インド占星術や西洋の伝統占星術(古典占星術)では、これら3つの惑星はまったく考慮されていませんでした。

しかし、トランスサタニアン惑星の使用が当たり前のことになっている現代の西洋占星術師にとっては、これらの惑星を使用しないことなど受け入れがたいことでしょう。実際、アセンダント・ミッドヘブン(MC)・太陽・月などの個人的なポイントに対して、トランジットのトランスサタニアン惑星がアスペクトするときの影響はかなり大きいものです(特に、コンジャンクションは強烈です)。

現代の西洋占星術においてトランスサタニアン惑星が重要な役割を果たしていることは確かですが、インド占星術で使用する9つの惑星と比較すると重要度はそれほど高くありません。なぜなら、ホロスコープでの主役はあくまで9つの惑星であり、トランスサタニアン惑星は9つの惑星に味付けをする補助的な役割を果たしているに過ぎないからです。

たとえば、一つの典型的な解釈例として、水星と天王星のアスペクトは独創的な思考、水星と海王星のアスペクトは混乱した思考、水星と冥王星のアスペクトは徹底した思考と解釈することができます。ここでの主役は水星であり、トランスサタニアン惑星は主役である水星を修飾しているにすぎず、この立場が逆転することはありません。

トランスサタニアン惑星の象意
惑星 惑星の象意
天王星 刺激、改革、発明、発展、閃き、分離、緊張、痙攣、電気、コンピュータ、エレクトロニクス
海王星 混乱、消耗、疾病、損失、失敗、曖昧、理想、空想、神秘、霊感、石油、海洋
冥王星 極限、変容、爆発、生と死、独裁、独占、秘密、調査、幽霊、核、催眠、心理学、カルマ