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占いコラム32 【
アスペクト 】
楠 正晴
ドリシュティ
在住しているハウスに惑星が大きな影響をおよぼすことについては、『占いコラム31
惑星の在住』でお話した通りです。けれども、それだけではなく、惑星は、在住しているハウスの対向に位置するハウス、および、対向に位置するハウスの在住星に対しても大きな影響をおよぼします。これをインド占星術ではドリシュティと呼び、西洋占星術ではアスペクトと呼んでいます。
※現代の西洋占星術では、コンジャンクトをアスペクトのひとつとしていますが、インド占星術や、西洋の伝統的占星術(古典占星術)では、コンジャンクトは、アスペクトとは別の概念であるとしています。
※ドリシュティは、サンスクリット語で、『注視する』という意味です。
例えば、7室に在住する惑星は、7室のテーマである配偶者・結婚・対人関係に影響をおよぼすだけでなく、1室のテーマである身体・性格・全体的な特徴にも影響をおよぼします。
下のホロスコープでは、木星が7室に在住しています。この場合、木星の影響によって、身体の大きな配偶者、あるいは精神的な要素の強い配偶者と結婚する傾向があります。しかし、それだけではなく、木星が7室に在住している場合、7室から対向の1室にアスペクトするため、木星の影響が1室にもおよびます。その結果、自分自身の身体も大きくなる傾向があります。
※実際の判断においては、1室の状態を見る場合、7室の在住星の他、1室の在住星、1室の支配星、1室の支配星とコンジャンクト(同居)する惑星、1室の支配星にアスペクトする他の惑星、その他、より多くの複合的な要素を考慮する必要があります。
| 12室 |
1室 |
2室 |
3室 |
| 11室 |
アセンダントが
牡羊座のとき |
4室 |
| 10室 |
5室 |
| 9室 |
8室 |
7室
木星 |
6室 |

部分的なアスペクト
惑星は、在住するハウスの対向ハウスだけではなく、在住するハウスから数えて、4番目・8番目、5番目・9番目、3番目・10番目のハウスに対してもアスペクトします。例えば、1室に太陽が在住している場合、太陽は、対向の7室にアスペクトする他、3室、4室、5室、8室、9室、10室に対してもアスペクトします。しかし、そのアスペクトによる影響の強さは、それぞれ、アスペクトする位置によって異なります。
| アスペクトする位置 |
アスペクトの強さ |
| 7番目のハウス |
100% |
| 4番目・8番目のハウス |
75% |
| 5番目・9番目のハウス |
50% |
| 3番目・10番目のハウス |
25% |
※上記のような原則はあるものの、実際には、7番目のアスペクト以外については考慮しない占星術師が多いようです。けれども、これらのアスペクトを考慮すべき根拠はいくつか存在しています。たとえば、水星が、1室に対して75%のアスペクトを投げかけ、1室の支配星に対して50%のアスペクトを投げかけている場合、水星の1室に対する影響は125%となります。この場合、水星が、単純に、7室から1室にアスペクトしていて、支配星にアスペクトしない場合(100%の影響)よりも、トータルでは、1室に対する影響が強いことになります。
※また、経験上、西洋占星術において形成されるアスペクトのように、アスペクトする惑星同士の度数が近い場合、つまりアスペクトのオーブ(許容度数)が狭い場合には、7番目のアスペクト以外、すなわち、60度(3番目・10番目)、120度(5番目・9番目)、150度(4番目・8番目)でも強い影響があります。特に、1度以内でアスペクトが作られている場合、それが、たとえ西洋占星術におけるマイナーアスペクトであっても、そのアスペクトの影響は大きくなります。
| 12室 |
1室
太陽 |
2室 |
3室 |
| 11室 |
アセンダントが
牡羊座のとき |
4室 |
| 10室 |
5室 |
| 9室 |
8室 |
7室 |
6室 |
特別なアスペクト
火星、木星、土星には、対向のハウスに対するアスペクト以外に、特別のアスペクトが認められています。7番目のハウスに100%の強さでアスペクトをすることは、他のすべての惑星と同じですが、火星は、4番目と8番目のハウスに対しても100%の強さでアスペクトします。同様に、木星は、5番目と9番目のハウスに対して、土星は、3番目と10番目のハウスに対しても100%の強さでアスペクトします。
※ラーフ及びケートゥのアスペクトについては、諸説ありますが、一切アスペクトを考慮しないのが一般的です。しかし、経験上、木星と同じハウス(つまり、5番目、9番目のハウス)に対するアスペクトは、強く作用しており、無視できません。
| 惑星 |
特別にアスペクトする位置 |
| 火星 |
4番目・8番目のハウス |
| 木星 |
5番目・9番目のハウス |
| 土星 |
3番目・10番目のハウス |

各惑星のアスペクトの強さ
各惑星がアスペクトする位置、および、その強さは、以下の表のとおりです。
| |
3番目 |
4番目 |
5番目 |
7番目 |
8番目 |
9番目 |
10番目 |
| 太陽 |
25% |
75% |
50% |
100% |
75% |
50% |
25% |
| 月 |
25% |
75% |
50% |
100% |
75% |
50% |
25% |
| 水星 |
25% |
75% |
50% |
100% |
75% |
50% |
25% |
| 金星 |
25% |
75% |
50% |
100% |
75% |
50% |
25% |
| 火星 |
25% |
100% |
50% |
100% |
100% |
50% |
25% |
| 木星 |
25% |
75% |
100% |
100% |
75% |
100% |
25% |
| 土星 |
100% |
75% |
50% |
100% |
75% |
50% |
100% |

西洋占星術におけるアスペクトとのインド占星術におけるアスペクトの違い
- 西洋占星術においては、惑星と惑星の間にのみアスペクトが形成されるが、インド占星術においては、惑星と惑星の間以外にも、惑星からハウスに対してアスペクトが形成される。
- 西洋占星術においては、惑星と惑星の間で双方向にアスペクトが形成されるが、インド占星術においては、必ずしも双方向ではなく、一方通行にアスペクトが形成されることもある。
- 西洋占星術においては、惑星によって、形成されるアスペクトの種類に違いはないが、インド占星術においては、惑星によって(火星、木星、土星など)、形成されるアスペクトの種類に違いがある。
- 西洋占星術においては、惑星と惑星の間には、度数単位(あるいは、分数、秒数単位)でアスペクトが形成されるが、一般的なインド占星術においては、度数ではなく、ハウス単位でアスペクトが形成される。
アスペクトに関する見解
現代西洋占星術における度数単位のアスペクトと、インド占星術におけるハウス単位のアスペクトとでは、どちらが有効に作用しているのか?
実践の経験上、以下のことが言えます。
基本的に、インド占星術方式のハウス単位のアスペクトを前提とし、その中で、度数(分数、秒数)単位で形成される緊密なアスペクトを重視します。この場合、45度や135度のようなマイナーアスペクトでさえ大きな影響があります。また、1度以内の緊密なアスペクトが形成されているときは、たとえインド占星術方式のハウス単位のアスペクトが形成されていない場合であっても、ある程度の影響力は感じられます。特に、トランジットにおいて、アスペクトが正確に形成される瞬間が、物事が具体的に現象化する細かいタイミングを示していることが多々あります。
※ここで言うインド占星術方式のハウス単位のアスペクトは、『インド占星術のイコールハウス』方式を使用した場合にのみ有効です。

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