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【 大宇宙と小宇宙の関係 】
楠 正晴
この章の内容を理解するためには、『スピリチュアル占星術‐基礎知識』と『スピリチュアル占星術‐瞑想に最適な時期』、『スピリチュアル占星術‐日食と月食』、『スピリチュアル占星術−カルマが現象化する時期』
、『スピリチュアル占星術-カルマの改善方法』をあらかじめお読みになることをおすすめします。
月の在住するナクシャトラが重要
インド占星術においては、月が在住しているナクシャトラを非常に重要視しています。もっとも信頼されている未来予測技法であるヴィムショーッタリー・ダシャー、相性判定のための伝統的な技法であるダシャクータやアシュタクータ、何かをスタートさせるときに最適な瞬間を選択するためのムフールタなど、インド占星術の様々な技法において、月が在住するナクシャトラは、非常に重要な役割を果たしています。しかし、月が在住しているナクシャトラがわからない場合、これらの占星術技法は使用できません。
それでは、インド占星術では、なぜ、アセンダントや、太陽や、それ以外の惑星ではなく、月が在住しているナクシャトラを重視するのでしょうか?
それは、月とナクシャトラとの間には、密接な相関関係が存在しているからです。このことをご理解いただくためには、次にお話する喉のチャクラとナクシャトラとの間に存在する神秘的なメカニズムをご理解いただく必要があります。
※ムフールタ(適時選定)占星術においては、多くの占星術的要素を考慮しますが、その中でも、何かをスタートさせようとする瞬間に、月が在住しているナクシャトラの性質や象意をとても重視しています。

喉のチャクラとナクシャトラの対応
通常、喉のチャクラからは、16本のナーディーが分岐しているとされています。これは、次の段階で、さらに32本のナーディーに分岐されます。この32本のナーディーのうち、4つは、空(くう)の性質をもっています。そのため、32−4=28となり、最終的に28のナーディーが残ります。
この28の各ナーディーと、28の各ナクシャトラは対応関係にあります。スピリチュアル占星術の原典には、具体的に、28本のナーディーが、それぞれどのナクシャトラと対応しているかについては記載されていませんので、右の図は、原典の注釈書を基にした、喉のチャクラのイメージ画像とお考えください。
※一般的には、27のナクシャトラが使用されていますが、ムフールタなど、特定の目的のためには、28のナクシャトラが使用されます(ここでは、22番目のナクシャトラが2つに分割されています)。
月がナクシャトラを通過するとき
ここで重要なことは、喉のチャクラから分岐した28のナーディーと、28のナクシャトラが対応していること。そして、トランジットの月が、各28のナクシャトラを通過する際に、そのナクシャトラと対応したナーディーにプラーナが流れるということです。これは、ナクシャトラに対して、月が、特別の影響力を持っていることを意味しています。
また、このことは、各ナクシャトラをトランジットの月が通過することにより、喉のチャクラから派生した、各ナクシャトラに対応するナーディーが、定期的に活性化され、それにともない、定期的に、意識の変化やカルマの現象化が引き起こされていることを示しています。
※ちなみに、太陽と12星座は、臍のチャクラから分岐するナーディーと対応しており、その他の惑星は、胸のチャクラから分岐する各ナーディーと対応しています。
たとえば、争いに適した性質を持つナクシャトラを月が通過しているときは、それに対応するナーディーにプラーナが流れます。それにより、争いに意識が向うようになり、争いに関するカルマが現象化しやすくなります。そして、このとき、巷では、いつも以上に、争いごとが起きやすくなります。
同様にして、例えば、商売に適した性質を持つナクシャトラを月が通過しているときは、それに対応するナーディーにプラーナが流れます。それにより、商売に意識が向うようになり、商売に関連するカルマが現象化しやすくなります。そして、このとき、巷では、いつも以上に、商売に関連する事柄がクローズアップされるようになるのです。
※ニースなどを見ていると、同じ時期に、同じような事件が報道されていることがよくありますが、これは偶然のことではないでしょう。
そのため、ムフールタ(適時選定)においては、何かをスタートさせるときに、それに適したナクシャトラを月が通過している瞬間を選ぶことがとても重要になるのです。
月のトランジットとカルマの現象化
けれども、ムフールタには限界があります。なぜなら、個人のカルマの範囲内でしかムフールタは有効に作用しないからです。
たとえば、商売を始めようとするときは、商売に適したナクシャトラを月が通過している瞬間を選択します(他の要素も考慮しますが、ここでは省略)。
その結果、商売に適したナーディーをプラーナが通過するようになり、商売に関連するカルマが現象化するようになります。そして、商売に関して、良いカルマを持っている人は、商売と関係のあるナーディーの状態が良いので、このムフールタは商売繁盛の条件となります。けれども、商売に関して、良いカルマを持っていない人の場合、いかに商売に関するナーディーをプラーナが流れたとしても、特別に商売が繁盛することはないでしょう。逆に、商売に関して、悪いカルマを持っている人の場合は、このとき、商売に関して、トラブルが生じることすらあるでしょう。

大宇宙が小宇宙へ与える影響
眉間のチャクラでは、月の相(月と太陽のサイクル)が、中央の軌道へのプラーナの流入と関係しており、喉のチャクラでは、月のサイクル(各ナクシャトラ通過)が、28あるナーディーへのプラーナの流出と関係しています。これらは、今までの章でご説明してきました。
これに加え、胸のチャクラでは、各惑星と8つのナーディーが対応しており、臍のチャクラでは、太陽の1年間のサイクル(12星座を通過)が各ナーディーと対応しています。
このようにして、大宇宙(惑星配置)は、大きなプラーナの流れをコントロールすることにより、小宇宙(人間)に対して、複雑に組み合わさった影響を与えています。そして、身体の各ナーディーにプラーナが流れる結果、そのナーディーと対応する意識が生じ、さらに、そのナーディーと対応するカルマが現象化しているのです。
占星術の役割
ここで注意しなければならないことは、大宇宙の作用は、意識の変化やカルマの現象化を促す条件に過ぎず、根本的な原因ではないということです。人の意識や、人が経験する事象を左右している、根本的な原因は、自分自身が過去世から蓄積してきたカルマに他なりません。そして、そのカルマを理解するための手助けをすることが、占星術の本来の役割なのです。

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