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【 瞑想に最適な時期 】
楠 正晴
この章の内容を理解するためには、『スピリチュアル占星術−基礎知識』をあらかじめお読みください。
太陽、月、ラーフ、ケートゥと、3つの気道の対応
スピリチュアル占星術においては、太陽、月、ラーフ(ドラゴンヘッド)、ケートゥ(ドラゴンテイル)が、特に重要視されています。
なぜなら、太陽は右のピンガラ気道、月は左のイダ気道、ラーフとケートゥは中央のスシュムナー気道と対応しているからです。
中央のスシュムナー気道の中でも、右の気道と左の気道が合流する地点(眉間)はラーフが司っています。また、中央の気道は、頭頂を通過して、眉間のところへ降りてきているため、『ラーフは中央の気道の終極地点である』と表現することもできます。また、ケートゥは、中央気道の最下部を表しています。
※右のピンガラ気道は、別名スーリヤ気道ともいいます。「スーリヤ」は、「太陽」を意味するサンスクリット語です。
※左のイダ気道は、別名チャンドラ気道ともいいます。「チャンドラ」は、「月」を意味するサンスクリット語です。
通常の二元的意識状態
プラーナが、中央の気道に流れず、右と左の気道を交互に出入りしている間は、通常の二元的な意識状態がずっと継続しています。このとき、意識状態は、無知(月)と怒り(太陽)の間を、交互に行き来し続けています。
中央気道へのプラーナの移動
中央のスシュムナー気道へプラーナが移動することは、非常に稀な現象であり、一般的には、ヨーガの実践によってのみ可能であるとされています。しかし、スピリチュアル占星術においては、外的な時間の作用、つまり太陽と月が一直線に並ぶ特定の時(新月か満月)には、中央のスシュムナー気道へプラーナが移動する現象が自然に生じるとされているのです。
この現象が生じると、微細な身体の中で、通常とは異なるプラーナの流れが生じるようになります。このとき、プラーナは、右と左の気道から撤退し、次第に、中央の気道に集中するようになります。この状態は、少しずつ進んでいきます。このようにして、中央の気道に集まったプラーナの量により、生じる瞑想体験(空の意識)の段階と種類が決定されることになります。
シュクラ・パクシャとクリシュナ・パクシャ
月の相(月と太陽のサイクル)は、ムフールタ(適時選定)やスピリチュアル占星術においては、とても重要な要素です。以下に、簡単にご説明します。月の相の1サイクル、すなわち、新月から次の新月までの期間は、1つの太陰月を形成しています。
この太陰月のうち、新月から満月へ向かう半月、月の光が増大していく期間のことを『シュクラ・パクシャ』と呼びます。月の光の増大は、物事の拡大や発展を表するため、シュクラ・パクシャは、一般的に、慶事(喜びごと)を行うのには、良い時期であるとされています。
また、満月から新月へ向かう半月、すなわち、月の光が減少していく期間のことを『クリシュナ・パクシャ』と呼びます。月の光の減少は、物事の縮小や衰退を表すため、クリシュナ・パクシャは、一般的に、慶事(喜びごと)を行うのには、悪い時期であるとされています。
各パクシャと左右の気道との対応
スピリチュアル占星術において、シュクラ・パクシャとクリシュナ・パクシャが特に重要視されている理由は、シュクラ・パクシャとクリシュナ・パクシャが、それぞれ、左(月)の気道と右(太陽)の気道に対応しているからです。
シュクラ・パクシャは、左(月)の気道と対応しています。そのため、シュクラ・パクシャの期間には、左の気道が開き、そこへプラーナが流れやすくなります。
クリシュナ・パクシャは、右(太陽)の気道と対応しています。そのため、クリシュナ・パクシャの期間には、右の気道が開き、そこへプラーナが流れやすくなります。
ティティ(太陰日)
1つの太陰月は、2つのパクシャ、すなわち、シュクラ・パクシャとクリシュナ・パクシャで構成されていて、それぞれのパクシャは、15の『ティティ(太陰日)』で構成されています。つまり、1つの太陰月は、30(15+15)のティティ(太陰日)で構成されていることになります。
1番目から14番目までのティティには、シュクラ・パクシャとクリシュナ・パクシャの両方において、共通の名前が付いています。そして、これらのティティのサンスクリット語における意味は、ただ単にティティの番号(初日、第2日、第3日、・・・など)を示しているだけです。
ところが、最後のティティだけには、特別な名前がついていて、他のティティとは区別されています。シュクラ・パクシャの最後のティティは『満月』を意味する『プールニマー』、クリシュナ・パクシャの最後のティティは『新月』 を意味する『アマーヴァーシャ』です。
| ティティ |
シュクラ・パクシャ |
クリシュナ・パクシャ |
| 日 |
ティティの名前 |
日 |
ティティの名前 |
| 1 |
1 |
プラティパダ |
16 |
プラティパダ |
| 2 |
2 |
ドヴィティーヤー |
17 |
ドヴィティーヤー |
| 3 |
3 |
トリティーヤー |
18
|
トリティーヤー |
| 4 |
4 |
チャトルダシー |
19 |
チャトルダシー |
| 5 |
5 |
パンチャミー |
20 |
パンチャミー |
| 6 |
6 |
シャシュティー |
21 |
シャシュティー |
| 7 |
7 |
サプタミー |
22 |
サプタミー |
| 8 |
8 |
アシュタミー |
23 |
アシュタミー |
| 9 |
9 |
ナヴァミー |
24 |
ナヴァミー |
| 10 |
10 |
ダシャミー |
25 |
ダシャミー |
| 11 |
11 |
エーカーダシー |
26 |
エーカーダシー |
| 12 |
12 |
ドヴァーダシー |
27 |
ドヴァーダシー |
| 13 |
13 |
トラヨーダシー |
28 |
トラヨーダシー |
| 14 |
14 |
チャトゥルダシー |
29 |
チャトゥルダシー |
| 15 |
15 |
プールニマー(満月) |
30 |
アマーヴァーシャ(新月) |
ティティには、いろんな使用方法があるのですが、今回は、それには触れません。ここで大切なことは、次の点です。
最後、つまり15番目のティティの日には、中央気道が開かれ、眉間のチャクラの位置から、中央の気道へプラーナが流れこんできます。そして、16番目(次のサイクルの1番目)のティティ、つまり、満月(太陽と月の正確なオポジッション)、あるいは、新月(太陽と月の正確なコンジャンクション)から、ちょうど24時間までの間は、ある程度のプラーナが中央気道の中に自然に流れている状態になっているのです。
これにより、集中した、微細な意識状態が自然とつくりだされやすくなります。
このような理由で、新月と満月の日は、外的な活動にとっては良くないとされていながら、瞑想には最適の日とされているのです。
※満月は、一般的に、慶事を行うのに良いとされていますが、満月の最中、あるいは直後は良くないという考え方もあります。
新月と満月にはラーフとケートゥが覚醒する
眉間のチャクラは、月の満ち欠けと関連していて、それが、人間を構成しているエネルギーである五大エレメントおよびグナの質に影響を与えています。
そして、新月や満月の日には、これらのエネルギーが調和され、そこに均衡が生じると、ラーフとケートゥ(ドラゴンヘッドとドラゴンテイル)が覚醒状態となります。
その結果、通常は、右の気道や左の気道に流れているプラーナが、そこから撤退して、中央の気道(ラーフとケートゥに対応)へと流れるようになり、それによって、特別な内的至福を経験することが可能となるのです。
ここで、もっとも重要なことは、月の相(月と太陽のサイクル)と関連して、対応する気道が、開きやすくなったり、閉じやすくなったりするという点です。それにより、その気道の中を、プラーナが勢いよく流れるようになり、さらに、身体におけるプラーナの循環の仕方が変化しはじめます。そして、それにともない、通常とは違う特別な意識状態が生起してくるようになるのです。
※五大エレメントは、人体、あるいは宇宙を構成する地・水・火・風・空といった5つの要素のことで、ヨーガ、アーユルヴェーダ、ギリシア医学など、古代のヨーガや医学で共通の概念です。
※グナは、宇宙に存在する3つの根源的なエネルギーのことで、タマス(暗性)、ラジャス(動性)、サットヴァ(善性)の3種類が存在しています。
イニシエーション(密儀の伝授)に最適な満月と新月
満月と新月には、内的至福(精神的な意識状態へと導かれる)を経験するために必要なプラーナが、誰の中央気道にも、ある程度の量は、自然に流れている状態になります。この理由から、インドには、満月(あるいは新月)にしかイニシエーション(密儀の伝授)を行わないグル(精神的指導者)も存在しています。
※満月は、新月よりも影響力が強大です。
次回の章では、スピリチュアル占星術において、普通の新月と満月以上に、より重大な意味をもつ、日食と月食についてお話します。

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