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【 スピリチュアル占星術の基礎知識 】
楠 正晴
スピリチュアル占星術とは
スピリチュアル占星術は、精神性・霊性の向上を目的としたヨーガや瞑想の世界観と関連した占星術です。インドの占星術は、本来、ヨーガや瞑想などの精神的な実践と結びついた占星術でしたが、現在では、インドにも、その内容を知る占星術師は少なくなっているようです。そこで、今後数回に渡って、スピリチュアル占星術の一部について、ご紹介します。
※ここでいう「ヨーガ」は、「ダーナ・ヨーガ(富の配置)」や「アリシタ・ヨーガ(悲惨な配置)」などのような、一般のインド占星術における占星術技法のことではなく、対位法、呼吸法、あるいは、瞑想法など、精神的な完成に至るための実践方法としてのヨーガのことです。
※このスピリチュアル占星術には、サンスクリット語の原典が存在しているのですが、『Brihat
Parashara Hora Shastra』などの一般的なインド占星術の古典とは異なり、秘密の教えに属していますので、その内容は、ごく一部を除いて、一般には公開(出版)されていません。
スピリチュアル占星術のための基礎知識
スピリチュアル占星術の内容に進む前に、これを理解するために必要な基本知識についてご説明します。スピリチュアル占星術では、個人の身体と宇宙との関連について、詳しく説明しています。ここでいう身体には、器官や組織によって構成された粗雑次元の肉体だけではなく、ナーディー、プラーナ、チャクラなどによって構成された微細次元の身体が含まれています。
※微細な身体は、極めて微細な要素で構成されているため、肉眼では見ることができません。
※スピリチュアル占星術では、粗雑次元の身体より、微細次元の身体の方が、より重要です。

ナーディー、プラーナ、チャクラとは
「ナーディー」は、「管」を意味するサンスクリット語です。そのナーディーの中には、「プラーナ」と呼ばれる「生命エネルギー」が流れています。そして、ナーディーの要所要所には、「チャクラ」と呼ばれる、エネルギーのセンターがいくつか存在しています。このチャクラは、プラーナが集中するところです。ナーディー、プラーナ、チャクラは、人の意識状態や健康状態に、大きな影響を与えています。
※中国の気功にも同様の概念が存在しています。例えば、「ナーディー」は「経絡」、「プラーナ」は「生気」、「チャクラ」は「経穴」と一部共通する概念です。
ヨーガとの関連
スピリチュアル占星術では、小宇宙(個人の身体)と大宇宙(惑星、ナクシャトラ、星座など)との間にある相同関係をベースとして、精神的な完成に至るための方法が詳細に説明されています。そして、その中には、様々な技法を使用することによってプラーナの流れを変え、それにより、意識状態を深いところから変容させ、その新たな意識状態をベースとして、崇高な意識状態をつくりだす高度な技法が含まれています。
※このスピリチュアル占星術の原典には、通常の占星術の古典とは異なり、占星術に関する章と、その精神的実践方法としての特別なヨーガ技法に関する章が両方含まれているという点で異色のものです。この古典は、一般的なインドの占星家にはほとんど知られていません。
3つの主要なナーディーと意識状態
人の身体には、7万2千本(諸説ありますが)のナーディー(気道)が存在していて、それぞれのナーディー(気道)は、いろんな意識状態に関連しています。そのナーディー(気道)の中では、左のイダ気道、右のピンガラ気道、中央のスシュムナー気道といった3つのナーディー(気道)がもっとも重要です。これら3つのナーディー(気道)は、それぞれ無知、怒り、執着といった、人間の根本的な3つの欲望と対応しています。
通常の意識状態
左のイダ気道は、「無知」の意識状態と対応しています。そして、プラーナがここを通過するとき、愚鈍で怠惰になり、無知な意識状態に支配されます。
右のピンガラ気道は、「怒り」の意識状態と対応しています。そして、プラーナがここを通過するとき、怒りやすくなり、邪悪な意識状態に支配されます。しかし、このとき、同時に、活動的になります。
プラーナは、右の気道と左の気道のうち、いつもどちらかを流れているため、通常、人は「無知」と「怒り」の意識状態の間を行ったり来たりしています。そして、中央のスシュムナー気道が閉ざされているため、プラーナは自由にその中を通過することができず、いろんな執着(スシュムナーと対応)を残した状態を維持しているのです。
※どちらの気道へプラーナが流れているかを調べる方法は簡単です。右の気道にプラーナが流れているときは、人は、右の鼻で呼吸をしています。左の気道にプラーナが流れているときは、左の鼻で呼吸をしています。そして、中央のスシュムナー気道にプラーナが流れているときは、左右の気道のバランスがとれているときで、このときは、両方の鼻で呼吸をしています。
スシュムナー気道にプラーナが流れるとき
ところが、エネルギーの均衡がとれ、プラーナが中央のスシュムナー気道に流れるようになると、意識が、通常の状態から特別な意識状態へと変化しはじめます。
プラーナが中央のスシュムナー気道に入ると、明晰で、集中した意識状態が現れてきます。さらに、このスシュムナー気道の中をプラーナが自由に行き来できるようになると、徐々に、あらゆる執着から解放されるようになってきます。そして、この状態をさらに先に進めていくことにより、「不動の大楽」の状態が訪れるとされており、悟りや解脱は、この「不動の大楽」の延長線上に存在しているとされています。そのため、精神的な修行においては、右の気道と左の気道を通過させた後、プラーナを中央に集中させることがとても重要視されているのです。
※精神的プロセスを進めるためには、スシュムナー気道を開き、プラーナがそこに流れるようになった後、さらに根気よく、そのプロセスを進めていく必要があります。これは、精神的には、あらゆる執着を取り除くプロセスと一致しています。
次回は、プラーナを中央のスシュムナー気道へ集中させ、瞑想体験を進めるために適した時期についてお話します。

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