占いコラム 26

ハウスのカテゴリー(1)

西洋占星術はアスペクト重視

占星術では、ホロスコープを分析する際、惑星同士(あるいは惑星と感受点)でつくるアスペクトの他、惑星の在住星座、在住ハウス、支配ハウスなど、さまざまな要素を分析することになっています。

ところが、西洋占星術では、実践上、原則通りにハウスが機能していないことを理由に、惑星の在住ハウスや支配ハウスなどのハウスに関する原則よりも、アスペクトを重視する傾向があります。在住ハウスしか考慮しない、あるいはハウスを一切考慮しない占星術師も珍しくありません。

※ハウスを重視するホラリー占星術は例外です。ホラリー占星術では、占星術師自身が深く信用して使用している法則がうまく機能します。

インド占星術ではハウス重視

インド占星術では、星座やアスペクトも重要ですが、ハウスを考慮せずにホロスコープを分析することは不可能というほど、ハウスを重視しています。

インド占星術は、実用性が高く、未来予測に優れていることで定評がありますが、その背景には、このハウスが有効に機能しているため、ハウスを信頼して解釈できるという事情があるのです。

影響力の強いケーンドラ・ハウス

インド占星術において、1・4・7・10室は、ケーンドラとして分類されています。ケーンドラはもっとも影響力の強いハウスであり、ここに在住する惑星は極めて大きな影響力を発揮します。また、ケーンドラの支配星も重要な惑星となります。

ケーンドラの中では10室がもっとも強力で、次に7室、それから4室、最後は1室となります。

ケーンドラは、別名ヴィシュヌスタナ(ヴィシュヌ神の位置)とも呼ばれています。ヴィシュヌ神は維持や保護を司る神であり、ヴィシュヌスタナである1・4・7・10室は保護や高貴さを表しています。

そのため、これらのハウスに吉星が在住するとき、ホロスコープ全体が保護され、そこに高貴さが加わります。逆に、このハウスに凶星がいくつか在住し、さらに、ケーンドラのハウスかその支配星に吉星が良い影響(在住かアスペクトによる)を与えていない場合、ホロスコープは保護されず、ホロスコープ全体の凶意が強くなります。

そこそこ影響力のあるパナーパラ・ハウス

2・5・8・11室は、パナーパラに分類されています。パナーパラはケーンドラの次に影響力の強いハウスであり、ここに在住する惑星はそこそこの影響力を発揮します。

影響力の弱いアーポークリマ・ハウス

3・6・9・12室は、アーポークリマに分類されています。アーポークリマはもっとも影響力の弱いハウスであり、ここに在住する惑星は弱い影響力しか発揮しません。

ハウスの分類例(ASC牡羊座の場合)

例えば、アセンダントが牡羊座のとき、ケーンドラは1・4・7・10室に対応する牡羊座・蟹座・天秤座・山羊座、パナーパラは2・5・8・11室に対応する牡牛座・獅子座・蠍座・水瓶座、アーポークリマは3・6・9・12室に対応する双子座・乙女座・射手座・魚座となります。

12室 1室 2室 3室
11室 アセンダントが
牡羊座のとき
4室
10室 5室
9室 8室 7室 6室
ケーンドラ 1室・4室・7室・10室
パナーパラ 2室・5室・8室・11室
アーポークリマ 3室・6室・9室・12室