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占いコラム03 【
中国占星術 】
楠 正晴
『命』・『卜』・『相』
中国には、四柱推命(『子平』、『八字』とも言う)、紫微(薇)斗数、六壬神課、鬼門遁甲、断易、その他、数多くの占術が存在しています。その中で、四柱推命と紫微(薇)斗数は『命』に属しています。『命』は、人が生まれた瞬間(生年月日時)をもとにして、その人の一生に起こる吉凶成敗を占う占術です。
六壬神課、鬼門遁甲、断易などは、基本的に、『卜』に属します。『卜』は西洋占星術でいうホラリー、インド占星術でいうプラシュナです。この『卜』の占いは、たとえば、「この結婚はうまくいくのか?」、「この商売は成功するのか?」、「希望の大学に受かるのか?」といった個々の疑問に答えるのに有効な占術です。
手相、人相、家相、墓相、印相など、物の形を見て占うものは、『相』に属しています。


『命』が基本
人の運命を占うときに基本となるのは『命』の占術です。『命』に示されていないことは、その人の人生では起こりません。たとえば、あまり成績のよくないスポーツ選手がここにいたとします。そのスポーツ選手について『命』の占術で占った結果、勝負に弱く、名誉とはまったく縁がないことがわかった場合、そのスポーツ選手から「私はこれから頑張って、オリンピックに出場し、さらに優勝まですることができますか?」と質問されたとしても、それを『卜』で占うこと自体が無意味となります。まず『命』を分析し、人生全体でどのような良いことや悪いことが起こるのか、その時期はいつなのかを知る必要があります。『卜』は『命』の後に補助的に使うにとどめるべきでしょう。
四柱推命は吉凶成敗についての判断が鋭い
『命』の中でも、四柱推命は、人生の傾向、あるいは、人生で何が起こるのかなど、象意についての判断も可能ですが、どちらかといえば、成功する人生なのか失敗する人生なのか、苦しみの多い人生なのかそれとも楽な人生なのかなどの吉凶成敗、そして、その度合いについての判断が鋭いという特徴があります。
また、いつ運気が良くなったり悪くなったりするのかというように、運勢を占うときにも鋭い威力を発揮します。
紫微(薇)斗数は象意が細かい
これに対し、「紫微(薇)斗数は象意が細かいが吉凶成敗の判断については四柱推命ほどの鋭さはない。」とか、「運勢についてはあまり正確に見ることはできない。」と一般的に言われています。紫微(薇)斗数は、象意の細かさに特徴があることは事実ですが、吉凶成敗、あるいは、運気の良し悪しについてもかなり判断できます。
※流派の違いによって命盤の出し方や占い方そのものに大きな違いがありますから、占いの結果も、それにともなって変化するということには注意が必要でしょう。
陰陽五行哲学
中国占術背景には陰陽五行哲学が存在しています。この理論は、『命』・『卜』・『相』といった占術の分野だけでなく、『山』(仙道)や『医』(中医学)にも共通する哲学です。ですから、陰陽五行哲学を理解している場合、四柱推命や紫微(薇)斗数と中医学の理論とを結びつけて健康問題を占うこともある程度可能です。
※紫微(薇)斗数は、健康面の判断に特に優れていますから、陰陽五行理論や中医学の理論を知らなくても、健康面での特徴や弱点を占うことができます。

男女の性別の違いによる運気の違い
中国占術は陰陽哲学を背景としていますから、同じ生年月日時に同じ場所で生まれた人であっても、本質的に陽である男性と陰である女性の性別の違いによって、四柱推命の大運や紫微(薇)斗数の大限など、運気の流れる順番が逆になります。西洋占星術やインド占星術からは、男女の性別による運気の違いは区別できませんから、これについては中国占術独特のものです。

中国占術の限界
中国占術は、吉凶成敗など、その人の宿命や運気の流れを把握するには便利な占術です。しかし、たとえ中国占術を極めたとしても、その精度には限界があります。なぜなら、中国占術のもとになっている陰暦は2時間が一区切りになっているため、最大2時間以内に生まれた人たちを区別することができず、占いの上では、同じ運命ということになってしまうからです。実際には、双子の兄弟でも、境遇が似ることはあっても、まったく同じ人生を経験する人はいないものです。

西洋占星術、ウラニアン占星術、コスモバイオロジーは?
西洋占星術では、出生時刻が4分進む毎にホロスコープの基点となるアセンダント(上昇点)の度数が1度進みます。そのため、それを考慮すれば、理論上は、出生時刻の少しの違いによる運命の違いを区別することが可能です。しかし、実際に、わずか数度アセンダントがずれただけで個々の運命の違いを読み取ることができる西洋占星術師は稀です。なぜなら、その微細な違いを読み取れるだけの確立された技法が、一般的な西洋占星術には欠けているからです。
西洋占星術の場合、ソーラーアークディレクション、セカンダリープログレッション、ターシャリープログレッション、あるいは、トランジットと、出生図との間に形成されるアスペクトを考慮することによって、その時々に起こりえる事象を推測することができます。けれども、中国占術と違い、西洋占星術には、運気の流れを的確に読み取るこのとのできる確かな技法が存在しておらず、あくまでも可能性を示唆できる程度です。
一方、西洋占星術から派生したウラニアン占星術やコスモバイオロジーにおいては、アセンダントやミッドヘブン(天頂点)に対してアスペクトする惑星の影響を中心に考慮するため、アセンダントの度数がわずか1度ズレるだけでも、個々の運命について、かなりの違いが生じることになります。しかしながら、西洋占星術から派生したウラニアン占星術やコスモバイオロジーの流派では、西洋占星術で使用されるハウス方式への信頼性の無さから、ハウスをほとんど使用しない占星術師がほとんどです。そのため、物事の現象化するタイミングについては細かく判断できても、未来において発現する事象が何であるかについて、あまり細かく判断できないのが弱点です。また、ウラニアン占星術やコスモバイオロジーも、西洋占星術と同様、運気の流れを読み取ることについては、あまり得意ではありません。

インド占星術では?
これに対し、インド占星術では、出生時刻の違いから、より微細に運命の違いを読み取ることができます。インド占星術では、確実なハウス方式を使用し、基本のホロスコープを含め16種類の分割図を使用することにより、人生のあらゆる分野における詳細な分析が可能です。
分割図は、出生時刻がほんのわずか違うだけでもチャートが変化する極めて微細なホロスコープです。そのため、この微細な分割図を使用することによって、精密な運命の違いを読み取ることができるのです。
※分割図は、インド占星術から西洋占星術に取り入れられ、ハーモニクス図、あるいは、調波図として、研究されています。しかしながら、西洋占星術におけるハーモニクスや調波は、未だ実用的な段階に至っていないのが現状です。
中国占術の限界を補うために
中国占術は、実用性が高い、とても優秀な占術ですから、四柱推命と紫微(薇)斗数を併用するだけでも、使い方を間違えなければ、ある程度のことは判断できます。しかし、前述の通り、2時間をひとつの区切りとしている以上、そこに限界があることは確かです。
けれども、そこから先、どこまで精密に占うかについては、あくまで好みの問題ですから、「ある程度の吉凶成敗や運気の良し悪しがわかれば十分」という方は中国占術だけで良いでしょう。一方、「もっと精密に運命を把握したい」という場合、中国占術の不足する部分を補うために、インド占星術をはじめ、他の占術も併用しなければなりません。

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